最近、黒川祥子さんの『誕生日を知らない女の子』を読みました。
前に子ども食堂についての本を読んだ流れで、関連本として紹介されていた一冊です。
タイトルからは想像できませんでしたが、読んでみると、深くて重たい現実が広がっていました。
内容は虐待を受けた子どもたち、そして彼らを引き取った里親様たちの、苦悩と必死な日々が描かれていました。
僕は実際に虐待をうけた子供さんたちにはあったことがありません。
ただ、この本をよんでいると虐待を受けた子どもたちは、どんなに優しく迎えられても、すぐには心を開けないんだなということがわかります。
家の中で暴れてしまったり、里親の実子とうまくいかなかったり。
愛情だけでは届かない壁があるんだなとおもいました。
また、里親は実親以上の存在にはなれない場合も多いんだなとわかりました。
レビューにも
「虐待のニュースはよく見るけれど、その後の子どもたちについて知る機会は少ない」
という声があり、確かに「その後」を知るきっかけをくれる、大切な一冊だと思いました。
それでも子どもたちと向き合おうとする里親たちの姿に、言葉にならないほどの尊さを感じました。
黒川さんも、「親の愛だけでは足りない。社会全体で支えていくことが必要だ」と語っています。
きっと、誰かひとりの善意だけでは、救えない痛みがあるのだと、あらためて思いました。
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